私たちのお菓子に欠かすことのできない黒糖。
日本では沖縄県をはじめとする温暖な気候の地域で製造が盛んにおこなわれています。
しかし、一口に黒糖と言っても、その味わいや風味は産地や製法によって実に様々です。
知るほどに深まる、味わいの世界。 今日はそんな黒糖にまつわるお話をお届けします。

碧く澄んだ海がどこまでも広がり、
その息を呑むような絶景に心を奪われます。
夜には満点の星空に南十字星がひときわ輝きを放つ、
日本最南端の有人島、波照間島です。
天候に恵まれた者だけが辿り着けるその島では、
豊かな自然の中でのびのびとした時間が流れます。


わずか500人が暮らす波照間島の主な産業は、島を挙げたサトウキビ生産です。
夏の植え付けから1年半後の冬まで大切に育てられたサトウキビは、背丈の倍ほどに成長し、太陽に照らされキラキラと輝きます。
サンゴ礁が作り出すミネラル豊富な土壌と燦燦と降り注ぐ太陽の光が、サトウキビの糖分を豊かにゆっくりと蓄積させます。
刈り取られたサトウキビは鮮度そのままに製糖工場へと運ばれ、いくつもの工程を経て美味しい黒糖へと形を変えます。
冬の間、早朝にも深夜にも工場からは甘い香りが漂ってきます。
波照間島産黒糖の味わいはというと、柔らかな甘さと芳醇なコク、そして後を引く心地よい余韻。
三拍子が揃った、熟練の職人技が織りなす味の芸術です。
雑味がない洗練された甘さが口いっぱいに染み渡ります。
これほどにも上質な黒糖。大規模生産は不可能なのが実情です。
この希少価値が『幻の黒糖』と呼ばれる所以です。

当店の「黒棒 筑紫路」は、波照間島の黒糖を主とした黒糖蜜に、九州産小麦と新鮮卵でふんわりと焼き上げた生地を、手仕事で蜜つけします。
職人が一本一本生地の状態を見極めながら素早く丁寧に蜜つけすることで、長く愛され続けてきた食感と風味を生み出します。
なんでも機械化できる時代に、敢えてしない。
厳選した原材料や品質へのこだわりと、温もりある味わいをお届けしたいという思いを込めております。
